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きつねの音楽話

老人性古本症候群を患った若者の徘徊ブログ

「幸福な王子」は英語のリーディングにも子供の読書にもおすすめ

最近暗誦の訓練だけはしていたんですが、まとまった英語を読んでいないなあと思って、積読コーナーの前で何か読めそうなものはないかと探しておりました。

迂闊にシェイクスピアなどとってしまうと大変なことになるので、そういう難しそうなのはさけて、なるべく易しそうなものを・・・

 

英語の本自体自ら手に入れようと思わなければなかなか手に入るものでもないので、冊数はそこまで多くありませんが、手元にある童話の類はだいたいのところ読んでしまっていて、さてどうしようかと思っていたところで、前にワイルドのThe Happy Princeを手に入れたことを思い出しました。

ワイルドの「幸福な王子」を読む

The Happy Princeは題名だけ知っていて偶然見つけた時に買っておいたもので、思ったとおり本棚に鎮座していました。

ワイルドと「幸福な王子」を知らない方のために簡単に説明します。

オスカー・ワイルド(Oscar Wilde)

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ワイルドは1854年ダブリンに生まれた詩人、劇作家で悲劇「サロメ」などが有名ですが、「人生こそ芸術を模倣する」という言葉がなにより有名です。

このワイルドの立場を”芸術至上主義”などといいます。

 

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サロメの挿絵

 

幸福な王子

幸福な王子は「The Happy Prince and Other Tales」という童話集の始めに載せられている作品で、この童話集はワイルドが息子のために書いたものだといいます。

 

Winny-the-Poohの話もミルンが息子のために書いたという話が有名ですが、童話としての性格は全然違います。

プーさんのほうは自由気ままな話ですが、

幸福な王子は「グリム」に代表されるような童話の、いわば伝統的なスタイルを守っているように思われます。

実は読んだことがあった

僕はこの作品を読んだことのないものだと思っていたのですが、表紙絵をじっと眺めていたら何か見たことがあるような気がして中をペラペラめくってみたら、やっぱりみたことのある場面が描かれている。

 

思い出すとおそらく幼稚園に通っていた頃絵本で読んだようです。

その本の題はたしか「しあわせなおうじ」とかそんなようなものだったと思いますが、話の筋まではっきり覚えていました。

黄金と宝石でかざられた王子の像が自らの生前の愚昧ぶりを嘆いて、渡りの途中のつばめに貧しい人を助けさせるという話。

 

幼いころに読んだものをふとしたきっかけで読みなおすことになるのはなんともいえずうれしいものです。

幸福な王子の原作

僕が今回読んだのはもちろん絵本ではなくて、英語で書かれた原作なわけですが、僕がもっているのは古いPENGUIN版で、僕はこの版は挿絵(Lars Boのもの)がとてもよいのではないかと思うのですが、残念ながら今出版されていません。

 

ですが、幸福な王子自体はいくつもの出版社から今も出版されているようです。

できれば美しい挿絵のもので読みたいところ

 


The Happy Prince & Other Stories (Amazon)

 これなんかハードカバーの割に値段も安くて良さそうです。

 

それと本棚をみていると講談社の英語文庫のものも持っていることに気が付きました。(積読の害)

 


幸福な王子―The happy prince 【講談社英語文庫】(Amazon)

これが今出ている版ですが、なんで最近の本の表紙ってこんなに品がないんでしょうね笑

表紙は旧版(天野喜孝さんの画)のほうがはるかによいと思います。

初級から中級の読物に最適

今自分がどの程度の力があるのかちょっとわからないので、どのくらいの難度なのかわからないのですが、非常に読みやすいと感じました。

 

童話の形を守って、筋が強固、しかもよく童話にあるような”論理の飛躍”みたいなものがないので、迷子になりません。

しかも、グリムにみられるような筋のみがあって、意味はあるけれども”味”がない、というような話ではなく、流れるような文の中に非常な味わいがあります。

 

語彙こそわからないところですが、僕はほとんど辞書なしで読めました。

辞書なしで読んで、あとからわからなかったところをひくくらい。

さすがに高校生レベルだと語彙がちょっとたりないかもしれませんが、辞書をひきながら面白く読めると思います。

冒頭

幸福な王子の冒頭を参考に載せておきます。

 

High above the city, on a tall column, stood the statue of the Happy Prince. He was gilded all over with thin leaves of fine gold, for eyes he had two bright sapphires, and a large red ruby glowed on his sword-hilt.

教科書にこういうものがのっていたらいいのに

先生にきいたら昔は英語の教科書に必ず載っていて、誰でも知っていた、といっていましたが、みなさんの教科書には載っていましたか?

僕の使った教科書には載っていませんでした。

 

僕は英語の教科書に載っている文はほとんどつまらないと思っていたのですが、何故最近の教科書はこういうちゃんとした物語などを載せないで、細切れのつまらないものばかり載せるんでしょう?

僕が英語の教科書にのっていた話で覚えているのは、スターウォーズの音楽なんかをつくったジョン・ウィリアムズについてのものと青色発光ダイオードを発明した中村修二さんについてのものだけです。

あとは

About one thousand two hundred years ago, people carved it into a mountain by the river.

とかいう謎の一文だけ

石像か何かのことをいっているんですかね

おわりに

昔読んだとき、王子とつばめが自分を犠牲にして貧しい人を救うのを読んで、かなりショックを受けたのを覚えています。

人に親切にしなさいということは誰でも言われることですが、自分を犠牲にして他人を助けるなどということはほとんど口にされません。

誰もが自分の人生あってこその人生で、それを前提とした上での”人助け”だと考えています。

結局人は自分の幸福を第一に願って、なにをするにもそこからしか出発できません。

 

幼いころにこの話を読むというのはこれをどうとらえるのであっても、大きな意味があるのではないかと思います。

 


幸福な王子(Amazon)

日本語版ももちろんあるので、子供に読ませたい人や英語が苦手な方も是非読んでみてください。