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きつねの音楽話

老人性古本症候群を患った若者の徘徊ブログ

【たぶん初心者むけ】モーツァルト中毒の僕がおすすめする名曲&名盤(CDアルバム)

最近僕が聴く音楽といえばモーツァルトである。

僕は他人に

どんな音楽聴く?

と聴かれると面倒だから

普段音楽はあまり聴きません。

という。嘘だ。

実は聴いている、モーツァルトを。

 初心者におすすめのモーツァルト

僕はクラシック音楽ファンと話すことが少ないから、実際どのくらいの人がモーツァルトを聴いているか、実感が全くないのだが、その実おそらくはあまりいないだろうと思う。自称クラシックファンでも。

 

クラシック=古典派の音楽はその名前が西洋芸術音楽を表すように、代表的な音楽なのだが、それだけ難解なものでもある。

まあロマン派の音楽にも難解なものもあるし僕にとっては近現代のもののほうが難しいのだが、ファン層の厚さからみて、どうも古典派音楽というのは難しいらしい。

 

まあその難しいのは僕にはどうしようもない。

モーツァルトの音楽のどこが面白いのか?それをちょっとでも説明しようなら読者さまから難しいといわれるだろう。

だから僕は僕の好きな曲を好きなように紹介するにとどめようと思う。

ただモーツァルトをあまり聴いたことがない人にはウケないだろうと思われるものは好きな曲でも省いておく。

 

 これまでもある記事の部分としてモーツァルトの音楽は紹介してきたから、重複するところがでると思われるが、気にしないことにする。

例えば以下の記事である。

fuchssama.hatenablog.com

fuchssama.hatenablog.com

fuchssama.hatenablog.com

 

1、ヴァイオリン協奏曲第五番イ長調

 

前にどこかに書いたようにこのヴァイオリン協奏曲第五番と第三番は僕がモーツァルトを聴き始めるきっかけになった曲である。

そして当時聴いていたのがこのグリュミオーのCDである。

 

第五番はトルコ風の副題があって第三楽章にトルコ風の部分がある。

まあ第三番の第三楽章も同じような部分があるのだが

モーツァルトのヴァイオリン協奏曲は真作が全部で五曲あって、この二曲が最高傑作とされている。

五曲とも面白いがこの二曲が優れているのは確かだろうと思う。

 

最近第五番をヴァイオリンで弾いていて第三番のほうが難しい音楽だとなんとなく思うようになった。

それには色んな理由があるが、とにかくどちらかといえば第五番のほうが初心者むけな気がする。(どちらも傑作なのに変りはない。)

 

このCDには協奏交響曲も収録されているが、これがまたすごい曲である。

協奏交響曲というのはソロ楽器が複数ある協奏曲をいうのだが、この場合ヴァイオリンとヴィオラである。

これを聴いたのは3&5番を聴き始めたのち暫くたってからだったが、モーツァルトの驚くべき進歩に本当に仰天した。

ヴァイオリン協奏曲は19才のときに書かれ、協奏交響曲は23才のときに書かれたのだが、天才というのがどういうものかよくわかる。

100点満点を越えてくる100点満点である。

ただこの曲は 演奏が非常に難しいらしく、完璧な演奏というのはなかなか聴けないものらしい。

この曲に限ってはグリュミオーの録音より、クレーメルの録音のほうが優れているように思う。

 

モーツァルトの協奏曲についてはこの記事で詳しく書いた。

fuchssama.hatenablog.com

(こういう記事を書くと難しくてわからないという意見がとんでくる。よく書けていると思うのだが)

2、フルートとハープのための協奏交響曲ハ長調

 

協奏交響曲つながりでこの曲を紹介しておく

上に書いたとおり協奏交響曲はソロ楽器が複数ある、つまりフルートとハープがそれである。

 

この曲はヴァイオリンとヴィオラのための曲の前年に書かれたものであり、また違った味わいがある。

この時期の音楽をロココ音楽などというがこの曲はロココ音楽の真髄と呼ばれるものである。

フルートとハープという楽器がもつ華麗な部分、華やかさと麗しさが奇跡的な創造物となっている。

奇跡的な創造物などというと大げさな感じがするが、これが本当なんだから仕方ない。

 

このCDに一緒にはいっているクラリネット協奏曲はモーツァルト全作品中もっとも素晴らしい曲のひとつだと思うが、おそらく難しい曲である。

3、ピアノソナタ第10番ハ長調

 

モーツァルトピアノソナタといえば第11番トルコ行進曲つきと第16番が有名だと思うが、おそらくその次によく聴かれるのがこの曲である。

聴かれるというか弾かれるといったほうがいいかもしれない。

 

”めでたい(終止形めでたし)”という言葉は”めづ(愛づ)”つまり現代語の”めでる(愛でる)”と関係のある言葉だが、この曲はこの元の意味でめでたい曲である。

モーツァルトはピアノの達人で派手な協奏曲をつくりもしたが、ピアノの”こういう面”をちゃんと発見して、めでたいピアノ曲を残してくれている。

このあたりはモーツァルトの独擅場である。

4、ピアノ協奏曲第23番イ長調

 モーツァルトのピアノ協奏曲は一般に20番以降(‐27番)がよく演奏される。

それらはどれも名曲なんでどれを敢えて推すということもなくて、この第23番を少し前によく聴いていたというだけの話である。

 

特に第一楽章が僕は好きである。

始まりからしてなんというか慎重というか丁寧というか、よくあるようにババーン!!というのではないのがいい。

それに第二主題が感情豊かでまたいい

半音を含んだ音階がちょっと耳につくがまあ慣れれば気にならない。

5、交響曲第29番イ長調

上に貼った交響曲を紹介した記事では確か第35番ハフナーなんかを紹介したが、ここでは第29番をおすすめしておく。

モーツァルトは奇跡を何度も起こしているが(笑)、この曲もモーツァルト創造上の奇跡の一つである。

 

この曲もロココ風の華やかなものでおそらく聴きやすいと思う。

ただ交響曲は長いのでクラシックを聴きなれていない人には聴きにくいものかもしれない。

一緒に収録されている第25番は有名なもののひとつで、聴けばすぐにわかると思う。

ただちょっと重たい曲である。

おわりに

モーツァルトの音楽が面白くなった身としては、

もしモーツァルトの音楽を知らなかったら・・・

なんてことは考えるだけでぞっとするほど恐ろしい。

ああ、モーツァルトを知っていてよかった。モーツァルト生まれてきてくれてありがとう・・・

とひれ伏すばかり。

 

これほどまで熱狂的に愛される作曲家というのもいないだろう。

モーツァルトについて書いた本というのは大体熱狂的なラブレターである。

まあ世の中にはモーツァルトを嫌う人もいるんで不思議なものだが

 

モーツァルトの音楽は快くて、それは精神的な意味合いばかりでなく人間の身体全体にいいようである。

出来上がった楽器にモーツァルトを聴かせている楽器工房というのを見たことがあるし、植物の生長をうながすという研究結果もある。(モーツァルトを聴かせると植物の内部の液体の循環なんかが促されるらしい。)

 

音楽にはたしかに精神的内容も含まれるけれど、それに加えて最高に快い音楽の響き、明快な形式、とにかくすべてがこれまた奇跡的に組み合わせられているのがモーツァルトなのだ・・・