きつねの音楽話

老人性古本症候群を患った若者の徘徊ブログ

フランス語初心者が「星の王子さま」を読み始めてみる

どうも熱帯夜は勉強に向きませんね、Anorakです。

ちょっと前に僕のフランス語が永遠の入門中だということを書きましたが、いよいよ門から脱しようというというのでついに読本を使うことにしました。

いや、本当なら始めから文法と読本を並行してこなしていくべきなんでしょうが・・・とにかくそうなっていなかったのだからしょうがない。これからやります。

 

初心者のフランス語勉強をどうブログ記事にするか、これがまあちょっとした課題で、本文を始める前に少しお話しましょう。

 

ブログを始めて間もないころ僕はこういう記事を書きました。

英語は本当に必要? 読む英語の必要性

これは英語の勉強と勉強について何記事かに渡って書いたものでしたが、当時はなんというかブログらしい記事を書いてアピールしようと思っていたので、まあ今とは全体的に違うものです。

書いてあることは嘘ではありません。今読んでも、まあそうだよなあと思います。

でもこういう記事は僕らしいやり方じゃない。

僕は大勢に向かって大きい声をだして説得するのは好きじゃない。

もっとひそやかにして、それをそう、最近流行ってますが、忖度してほしい笑

 

というのでこれからつづくであろう一連の記事はフランス語の勉強法を勉強したいという人の役には立たないでしょう。

また文法をいちから学びたいという真面目な人の役にも立ちません。

第一それではフランス語を勉強する人しか読めなくなってしまうし、僕はそんなに真面目に勉強していませんからね(しかも初心者)。不良然たる態度で勉強しているんですから。

星の王子さま Le Petit Prince をフランス語で読む

最初に一応テキストを紹介します。

僕の持っているのは「Folio Junior版」ですが、これは今出版されていないようです。

 出版されているものではこれがよく売れているようです。

僕は英語訳を前に読みましたが、参考書になりましょう。

 

 みてわかるとおり、le petit prince は英語の the little prince に相当します。

「星の王子さま」は内藤濯の発明のようです。

原題を直訳すれば「小さな王子」になります。

 献辞を読む

先生、そう我がドイツ語の先生はフランス語も出来る人なのですが、その先生に星の王子さまを読もうと思うと話すと

ではまずあのレオンヴェルトへの献辞を読みましょうか

というので、僕ははてな献辞などあったかと思ったのですが、本の始めにしっかりくっついておりました。

日本語訳にも英語訳にももちろんついていたはずなのですが、いい加減に済ませたのか飛ばしたのか、全く記憶にない。

 

 

À Léon Werth.

 

Je demande pardon aux enfants d’avoir dédié ce livre à une grande personne. J’ai une excuse sérieuse : cette grande personne est le meilleur ami que j’ai au monde. J’ai une autre excuse : cette grande personne peut tout comprendre, même les livres pour enfants. J’ai une troisième excuse : cette grande personne habite la France où elle a faim et froid. Elle a bien besoin d’être consolée. Si toutes ces excuses ne suffisent pas, je veux bien dédier ce livre à l’enfant qu’a été autrefois cette grande personne. Toutes les grandes personnes ont d’abord été des enfants. (Mais peu d’entre elles s’en souviennent.) Je corrige donc ma dédicace :

 

À Léon Werth

quand il était petit garçon.

 

これが献辞です。

Je demande pardon aux enfants d’avoir dédié ce livre à une grande personne.

この本をあるひとりの大人に捧げたることに関して子供達に許しを請う

と始まります。

demander pardon à で許しを請うというのですが、フランス語ももちろん人称変化があるので形がややかわっています。

à が aux になっているのは・・・こんなことを一々説明しているとものすごい長さになってしまうのでほどほどにしておきますが、

定冠詞と一緒になっているためで、

à les(複数形につく定冠詞) が aux になります。

à le(男性名詞につく定冠詞) は au になります。café au lait のauはこれで、le lait(牛乳)の入ったコーヒーという意味です。

demander pardon à の à はもちろん~の入ったという意味ではありません。

 

 

pardonというと、英語会話でよく聞き取れなかったときに、

Pardon? とか Pardon me?

とかいうと、授業で習って皆やたらに使っていた気がしますが、周知の通り(?なのか)英語にはフランス語から入った言葉が山ほどあります。ですから英語をある程度知っていればかなりの語彙を始めからもっていることになりましょう。

demander、grande、personneもわかりますね。

 

それでサンテグジュペリは言い訳を書いていきます。

J’ai une excuse sérieuse 深刻(英serious)な理由(わけ)がある。

J’ai une autre excuse もうひとつの理由

J’ai une troisième excuse 三つ目の理由

j'ai は I have

uneは女性名詞につく不定冠詞。男性名詞につくときはun 英語のa

unは数詞の1でもあって、un deux troisでone two threeです。

バレエの拍子をとるときにアン・ドゥー・トロワなどといいますがこれです。(これだと発音はかなり不正確)

鼻母音

フランス語には鼻母音というのがあります。

母音のうち口だけでなく鼻からも息が抜ける音のことです。

聞けばわかると思うのですが、鼻にかかる独特の音です。

一応日本語にも”ん”の一部で鼻母音化するものがあります。

 

1,

in, im

ain, aim

ein, eim

このつづりはエを発音する口の形で鼻から息を抜きます。

 

2,

an, am

en, em

このつづりはアを発音する口の形で鼻から息を抜きます。

 

3,

on, om

このつづりはオを発音する口の形で鼻から息を抜きます。

 

4,

un, um

このつづりは・・・日本語で表しにくいのですが、オの口の形で舌を前に出してエを発音してさらに鼻から息を抜きます。

 

もちろん厳密に言えばカタカナでは表せないので微妙に違うところもありますが、だいたいこんなところです。

4番はパリを中心として廃れつつある(というかもう殆ど廃れているのかも知れない)もので、このつづりで1番の発音をする人が多いようです。

 

上に書いた数詞のunは4番の発音というわけです。

le petit princeのprinceは1番に当たるので発音はプリンスではなく、プラ~(ン)スとかプレ~(ン)スのような発音になります。

rの発音もフランス語はちょっと難しくて、昔はドイツなどと同じように舌先を振るわせる音だったようですが、今はのどひこ(口蓋垂)あるいは舌の根元を振るわせる音が一般に使われます。これは文字で伝えるのがかなり難しい。

日本人がprinceの発音を聞いたら人によってはプガンスと聞こえると思われます。しかし日本語でプガンスといってもフランス人には伝わらないでしょう。

 

鼻母音をちょっと試しに発音してみてください。急にフランスっぽく感じますから笑

3つの言い訳

それでみつの言い訳が書いてあるわけですが

 

ひとつめ

cette grande personne est le meilleur ami que j’ai au monde.

この大人は私の世界中でもっともよき友である(こと)

 

ふたつめ

cette grande personne peut tout comprendre, même les livres pour enfants.

この大人は子供の本をよく理解できる(こと)

 

みつめ

cette grande personne habite la France où elle a faim et froid.

この大人は飢えと寒さに忍ぶフランスに住んでいる(こと)

(という風に見えますが、飢えと寒さに忍ぶのはその大人でしょうか)

大いに慰めが必要だ。と続きますが、第二次大戦中に書かれたということを踏まえるとわかります。

 

というのがそれです。

しかしサンテグジュペリはそれだけでは不十分だといいます。

 

だから

je veux bien dédier ce livre à l’enfant qu’a été autrefois cette grande personne.

私はこの本を

その大人がかつてそうであったその子供に (つまり何十年か前のその人に)

捧げたい。

この献辞の要

言い訳をならべると見せて言いたいことはここにあります。

 

Toutes les grandes personnes ont d’abord été des enfants. (Mais peu d’entre elles s’en souviennent.)

大人といっても、昔は皆こどもだった。(しかしそのうちでそれを覚えているものは少ない。)

 

それでサンテグジュペリは献辞を書き換えると言います。

 

À Léon Werth

quand il était petit garçon.

 

レオン・ヴェルトに

小さな男の子だったころの

あとがき

というわけで星の王子さまを読み始めるのにまず献辞を読みました。

初心者の書くことですから、不正確な点が多いかもしれませんが、お許しください。

まあただフランス語を勉強したいという人以外にも読み物として楽しんでもらえたらよいなと思います。

星の王子さまを日本語で読んだ人は多いと思いますが、こうじっくり読んでいくとまた新たな発見があるものですね。

日本語で読むと自分の中に出来上がった言葉と翻訳がどうしても結合してしまうのである程度意味が固まってしまうのですが、英語で読んだときは果たしてこれは何を言いたいのかと思われるところがたくさんありました。

フランス語で読むと、もちろん原文ですから、より理解が深まる(あるいはよりわからなくなる)でしょうね。

 

今後は読み進めていくうちで注目すべきところがあればまた記事にしたいと考えています。多分相当の苦労を要するので、たまの更新になると思いますが。

 

星の王子さまの翻訳はこの記事でも紹介しました。

読んだことがないかたはぜひ読んでみてください。

fuchssama.hatenablog.com

 

ではまた次の記事で、Au revoir!