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きつねの音楽話

老人性古本症候群を患った若者の徘徊ブログ

口に出さないほうがよいこともある ドイツ人と食事にいって会話した話

Tままさんと別れたあと僕は先生について地下鉄にのりました。

 

 

ドイツ人と食事した話

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これから誰に会いに行くのか聞くと、

どうやら同僚のY先生に会いにいくらしいことがわかりました。

 

そしてその奥さんのMさんがドイツ人だとか

先生は僕のフラクトゥーアをMさんにみせようというつもりらしい。

ラクトゥーアというのは戦前使われていたドイツの古い文字で今ではほとんど使える人がいない。僕は先生のいうところ"古代の遺物”なのでフラクトゥーアで読み書きができます。

 

 

駅に車が待っていて、僕たちが姿をみせるとMさんが車から降りて出迎えてくれました。

 

もう最初からドイツ語です。

 

 

そして先生もドイツ語で僕のことを紹介

車中もひたすらドイツ語で、

 

先生が

すっかり歳をとってしまった

などと話して、

Mさんも

私も順調に老化している

などといって笑っている

 

僕は黙って話をきいていた。

 

僕は、ドイツ人に会うのは2人目で、

 

・・・その人は定食屋で偶然居合わせた人で、

先生と”今の若者が使う日本語”というので

”マジ”と”ヤバい”

を教えてあげました。

 

先生がヤバいはもともと状況が悪い時に使うものだったが、今は意味が反転して、良い意味で使うようになったとかなんとか説明して、

僕が実演

 

定食を指差して

これマジでヤバい

 

 

この話は別にどうでもよくて、とにかく僕は外国人と話したことは殆どないのですが、まあとにかくだいたい何をいっているか位はわかる。

これがちょっと不思議なことではありますが、外国語を勉強するとこういう効果があるんですね笑

 

 

先生たちが会う時は行く店がきまっていて、

その店というのが

元中華料理屋で、うどん屋に転向して人気になり、

今はうどんと中華料理を出している

という謎の店で、

僕も話だけは前からきいていたのですが、その日もその店に向かうとか

 

しかし、なんと定休日で、

別の店に変更、イタリア料理店へ

イタリア料理店で

車からおりてMさんが改めて挨拶をしてくれた。

 

 

Mさん:名前はなんていうの?(ドイツ語です)

 

僕:〇〇〇

 

Mさん:え?〇〇☓?

 

どうやら僕の名前はドイツ人にはききとりにくいらしい。

当たり前ですが、ドイツ語にない音というのが日本語にはあって、

僕の名前は名字も名前もドイツ語にない音ばかり

僕はなるべくドイツ語に近い音で大袈裟に発音しなおしました。

 

 

 

Mさん:それで☓〇☓?

 

僕:え?

もちろん聞きとれないこともある

こういうときドイツ語では Wie bitte?ヴィービッテ?

などという

 

M:としは何歳?

と日本語できいてくれた

 

僕:〇〇才

 

Mさん:若くみえるね!18才かと思った。

 

18才とはちょっと大袈裟だが、僕の年齢、実は(?)18才に間違われうる位。

そういえば兄の家にあったタニタとかいう有名な体重計の会社?の体重計で体重をはかったときも身体年齢18才とでていた。 

 

 

席についてから

英語は話せるの?ときいてきて

 

僕はちょっと辟易して、

a little...

などといったのですが

そこからは会話に英語も登場して

 

ドイツ語英語

たまに日本語、フランス語、さらにイタリア語まで登場するという混沌とした食卓に・・・

 

英語で話していたかと思うと、話終りにはドイツ語に変わっていたりして、

ちょっとききとるのが大変でした。

Mさんは外国語を勉強するのが好きで英語はかなり流暢。

Y先生(旦那さん)のドイツ語は早口で僕はほとんどききとれませんでした。

 

 

僕は初めて会う人と話すのが苦手なので、

ほとんどきくばかりで、質問されたときにだけ

英語か、ドイツ語か、日本語で答えていました。

 

Mさん:ドイツ語は好き?(これは何語できかれたんだか、たぶん英語)

 

僕:Yes...

 

Mさん:留学は考えていないの?

 

僕:No money...

こんな具合

 

 

先生が僕が音楽の勉強をしていることを伝えると、

Mさんは大いに納得した様子でした。

 

Mさん:だからドイツ語をやってるのね(これはドイツ語でいっていた)

 

僕:(うなづく)

 

Mさん:楽器はなにかやるの?

 

僕:Klavier und ...Geige.(ピアノとバイオリン)

 

Mさん:ワァーォ!ピアノとバイオリン?いいね

バイオリンを弾くそぶりなんかしていた

 

きくとMさんはドイツで音楽療法士をやっているらしい

そして娘さんもドイツで音楽の勉強をしているとか

僕にもかなり強く留学をすすめていた

 

Mさん:好きな作曲家はだれ?

これを僕はききとれなくて、先生に教えてもらった

 

僕:...Bach

 

Mさん:バッハ!私もバッハが一番好き

グレイトミュージック!などといっていた。いや本当にそうですね笑

 

あとからI先生と話しましたが、音楽療法にはバッハは使わないでしょうね笑

 

 

そんなこんなで楽しく、まあ僕はちょっと緊張していましたけれど、

食事を終えて、遅くならないうちに店をでました。

どうも明日早くドイツへ帰るらしい・・・

 

 

別れ際Mさんは僕に

 

Do your best! Do your best!

といってくれました。

 

会話もなかなか面白い

僕は読むばかりで話す機会を自分から作ろうとなど思っていなかったのですが、

今回のことで

ドイツ人って本当にドイツ語を話すんだなあ・・・

としみじみと思い、ちょっと会話も勉強しようと思ったという話。

 

Mさんのドイツ語はかなりききやすく、

先生も、

Mさんのドイツ語よりTままさんの日本語のほうがききづらい。

Tままさんの話すことは半分位わからない。

とおっしゃっていました。

 

Tままさんはちょっと声がしわがれているのでたしかにききとりにくい。

それに先生は歳で耳が少し遠いので声の質によってはききとりにくいらしい。

 

声がききとりにくいといえば、先生の知り合いにヨガの先生のUさんという人がいるのですが、Uさんは発声と滑舌がかなり悪く、僕にも半分位しかいっていることがわからない。

先生は7割位何を言っているのかわからないといっていました。

 

ただ、慣れというものがあるらしく、先生がUさんのヨガ教室に遊びにいったとき、先生には何を話しているかわからないが、周りの生徒さんはUさんの話をきいて、同じ所で笑う、ということがあったらしい。

 

 

そういえばコーヒー・カンタータの歌詞をMさんにみてもらったのですが、

古いドイツ語ですね・・・美しい言葉

といっていました。

 

僕が訳したのをみて、やけに古臭いと感じた方もおられるかもしれませんが、

あの詩は日本でいうと江戸時代半ば頃のものなので、わざわざ古めかしさをだしたわけです。

ただ、リースヒェン(若い娘)のアリアなんかまで江戸時代風に訳すと、どうも古臭すぎる感じがして、リースヒェンのアリアは明治大正の文章をイメージして訳してみたわけです。

 

ドイツ人で音楽療法士、娘さんはドイツへ音楽留学(というか今度ドイツ人と結婚するらしい)

こういう人と会う機会はなかなか無い気がしますけれど、これが偶然なのか偶然でないのか、その辺は考えてみると面白いことです。