クラシック・ヴァイオリンおすすめの名曲・名盤まとめ【初心者向け~ややマイナーなソナタ・協奏曲】
2016年6月25日投稿 2017年1月27日更新
クラシック音楽をきき始めたころ、それは僕がヴァイオリンを弾き始めたころだが、とにかく色んな曲を聴いてみようと、乱読ならぬ乱聴をしていた。
CDになっているものは一体名曲ばかりだが、もちろんなんというか曲には難易があって、まあ難易というか趣向の問題なのかもしれないが、
とにかく何を聴いてよいかわからなかった。
例えば、モーツァルトの協奏曲の第3番なんか名曲中の名曲だが、当時は聴いても何がよいのかさっぱりわからなかったわけ。
まあ考え始めるとまた色々と難しい問題になるが、
今回は一般に名曲といわれているものの中から、ヴァイオリン音楽入門のためによい、またはこれは聴いた方がよい、と思われるものを集めてみる。
おすすめのヴァイオリン音楽
※注
バロック
ヴィヴァルディ作曲 四季
とにかく有名な曲ですが、実はヴァイオリン協奏曲。
春から冬までそれぞれ三楽章あるので、やや長い。
ヴィヴァルディはイタリア人で、日本人からするとイタリア人の四季感は少し奇妙に感じられると思う。
僕はヴィヴァルディやパガニーニなんかはやはりイタリア人(的)のヴァイオリニストで聴くのがよいと思う。
北国の人とイタリア人のヴァイオリンは全然違う。
ヴィヴァルディは他に「調和の霊感」というヴァイオリン協奏曲集が有名。
5番などが有名だが、僕は7番が特に好き。
バッハ作曲 無伴奏ヴァイオリンパルティータ第2番より「シャコンヌ」
初心者向けかといったらそうではないが(笑)、名曲であるのは確か。
協奏曲のほうが初心者向け
バッハの協奏曲については以下の記事にやや詳しく書いた。
『バッハのヴァイオリン協奏曲を聴く(バロック協奏曲の様式について)』
無伴奏曲については以下参照。
バッハ作曲 ヴァイオリンソナタ第4番
おそらくあまり聴かれないが、バッハにはチェンバロとヴァイオリンのためのソナタが6曲ある。
グールドとメニューインのものは面白いが、おそらくマニア向け
(レオンハルトとクイケンの録音が聴きやすいかも知れない。リヒターとコーガンの録音も名盤。)
それからブランデンブルク協奏曲にもヴァイオリンが活躍するものがある。
特に5番は重要
古典派
モーツァルト作曲 ヴァイオリン協奏曲第3番
問題の曲。
なんで僕はこのよさがわからなかったのだろう・・・笑
なんといってもグリュミオーとコリン・デイビスのものが名盤のように思う。
モーツァルトの協奏曲は5曲あって、3番と5番がもっともよく演奏される。
5番はトルコ風という副題があって、三楽章の途中怪しい音楽がある。トルコ風とつくのは5番だけだが、3番の三楽章にもトルコ風といって充分の怪しい箇所がある。
三番の二楽章は古今まれにみるヴァイオリン音楽の絶唱(この用語がふさわしいかはわからない)
↓五番の三楽章
個人的には1番が品があって、快活で好き
モーツァルト作曲 ヴァイオリンソナタ第28番
形容するのがはばかられるような美しい曲。
どちらかといえばピアノのほうが重要な音楽かもしれない。
モーツァルトのヴァイオリンソナタはかなりの数があって、変奏曲を伴うものが多い。
色々聴いてみるとおもしろい。
ベートーベン作曲 ヴァイオリンソナタ第9番
前にも書いたが、こんなに面白い曲はない。
ベートーベンの天才がもうあふれんばかりにつまっている。
こんなの書くから天才っていわれるんですね、という曲。
オイストラフとオボーリンの録音は優れたもののように思う。
オボーリンってピアノ本当に上手なんですね笑
一番なんかも面白い
こういうピアノが弾けるようになりたい・・・
ベートーベン作曲 ヴァイオリン協奏曲
名曲だが、構成があまりにしっかりしていて長く、初心者向けではないと思う。
ロマンスのほうが聴きやすい。
シェリングの演奏がよいように思う。
ロマン派
パガニーニ作曲 ヴァイオリン協奏曲第二番
第三楽章が「ラ・カンパネラ(鐘)」という有名な曲。
パがニーニの音楽(超絶技巧)は、ヴァイオリン音楽の大きな楽しみの一つだが、人によっては好まないこともある。
トライアングルの使い方が面白い。
パガニーニの協奏曲は6曲あるが、1番と2番がもっともよく演奏される。
他に24のカプリースという大変な曲集がある。
最後の24番が有名
メンデルスゾーン作曲 ヴァイオリン協奏曲
ベートーベン・メンデルスゾーン・ブラームスのヴァイオリン協奏曲を世界三大ヴァイオリン協奏曲などというが、そのうちメンデルスゾーンのものが最も聴きやすい。
二楽章が、安っぽい言い方だが、いい曲。
三楽章は快活で、ヴァイオリンの魅力を存分に発揮する。
フランク作曲 ヴァイオリンソナタ
これがいい曲(笑)
なんか、こういう音楽もあるんだなあ、と当初思った。
第4楽章がカノンになっている珍しい曲
ラロ作曲 スペイン交響曲
交響曲という名の協奏曲
この曲は結構聴きやすいうえに内容もあって、初心者にいい曲だと思う。
パールマンは一体こういう曲想が得意なようで、非常に魅力のある演奏
こういう一見重たい激しい曲(一楽章なんか)を重たさを残しつつも軽く自由に弾いているのが妙だと思う。
◇パールマン/ラロ:スペイン交響曲/ベルリオーズ:夢とカプリッチョ(Amazon)
ブラームス作曲 ヴァイオリン協奏曲
これもベートーベンと同じく難しい曲だと思う。
今頃(梅雨)の季節にいい。
サンサーンス作曲 ヴァイオリン協奏曲第3番
ヴァイオリンをやっている人以外にはあまり有名でないかもしれない。
サンサーンスが好きなら聴いたらよいと思う(笑)
ブルッフ作曲 ヴァイオリン協奏曲第1番
これまたヴァイオリンをやっている人の間では有名な曲。
ザ・ロマン派といった内容
ブルッフは他に「スコットランド幻想曲」というのが有名。(今、イギリスが大変なことになってますね・・・)
◇ハイフェツ/ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番&スコットランド幻想曲(Amazon)
チャイコフスキー作曲 ヴァイオリン協奏曲
ヴァイオリン協奏曲の中でメンデルスゾーンと並んで人気のある曲。
なんというか曲のつくりが不安定で、頭でっかちなのが、僕は気になる・・・
何を聴くか迷ったらこの曲をきいてみると良いかも知れない。
◇ミルシテイン/メンデルスゾーン&チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲(Amazon)
近代
フォーレ作曲 ヴァイオリンソナタ第1番
フォーレのヴァイオリンソナタは2曲あるが2番は難解のため、1番のほうが人気があるよう。
◇グリュミオー/フランク、グリーグ、フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ集(Amazon)
ドビュッシー作曲 ヴァイオリンソナタ
これがまたすごい曲ですが、少し難解か・・・(笑)
シベリウス作曲 ヴァイオリン協奏曲
これがフィンランド的というんでしょうね。
特に曲の冒頭が特徴的。
三楽章のリズムが独特すぎて僕には捉えられない。
ラヴェル作曲 ツィガーヌ
ひたすら前置きの長い曲だが、発想の本当に面白い曲。
ハイフェッツのソロが映えてますね。
う~んこの位ですかね。
補遺
でもショスタコーヴィチは入れるべきなのか・・・その辺はわかりません。
あとヴァイオリンといったら、サラサーテ、ヴェニヤフスキー、クライスラーなんかの作品は面白いですね。
協奏曲は他にシューマンとドヴォルザークが、あまり有名ではありませんが、それぞれ書いています。シューマンはピアノ協奏曲が、ドヴォルザークはチェロ協奏曲があまりに傑出していて影に隠れていますね。暇がある人はまあ聴いてみると面白いかも知れません。